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生き残るアイコンと消えゆくアイコンの違い

UXの重要なルールの1つは「親しみやすさ」です。人は、以前に使ったことのあるものと似たような見た目や動作をしていれば、より簡単に製品を使うことができます。

コンテンツのもつ機能を連想させるモチーフをアイコンに採用しているために、多くのアイコンは時間が経つにつれて、異なるプラットフォームでも同じように見えるようになってしまいます。

例えば、封筒のイラストのアイコンは、メッセージやメールを意味することは誰もが知っています。電話の受話器は電話を意味します。南京錠はセキュリティを意味します。

優秀なアイコンのルール

この種のアイコンは、現実世界のものの一部を保持したアイコンを表現したもので、スキューアモーフィズムと呼ばれています。

スキューアモーフィズムとは立体感や質感などをより現実に近づけようとする考え方のことです。

スキューアモーフィズムは、古くから存在しているものをアイコンにしていることが多いですが、それらが元になっているオブジェクトはもう一般的には使われていないこともあります。

優秀なアイコンは何十年も生き残る

ビデオ通話で自分のミュートを解除したりミュートを解除したりするのに毎日使っているであろう小さな受話器のアイコンを見てみてください。黒電話で一般に普及していた電話の受話器が「電話」の象徴的なアイコンですが、今はもう使用されていません。

認識しやすさがUXデザインの要だからこそ、黒電話のアイコンも頑張るのです。

今生まれている子どもたちは、これらのアイコンが表すアナログのものを使うことはないかもしれませんが、両端に凸がついた曲線が「電話」を意味していることを誰もが知っています。黒電話の受話器のアイコンはどのデバイスでも、そしておそらく代用し難い唯一無二のアイコンだと言えるでしょう。

誰もが認識できるアイコンデザイン

ロゴにも、スキューアモーフィズムは使われています。

インスタグラムはよくできたロゴです。最初のロゴデザインは1970年代のポラロイドカメラをベースにしたものでした。その後、1940年代のカメラが使われています。

アプリのユーザーの多くは、フィルム、物理的なツマミやボタン、ファインダーを備えたマニュアルカメラを使ったことがないと思われますが、インスタグラムのアイコンはすぐにカメラだと認識できます。このレトロなアイコンの二次的な利点は、ノスタルジックな魅力です。

認知しやすさと新しさが重要

ユーザーエクスペリエンスのデザインでは、常に革新性と使いやすさのバランスを取らなければなりません。ロゴデザインのほとんどの場合、全く「無」からロゴを再発明する必要はありません。

革命を起こすような全く新しい機能を発明したとしても、それが何であるかをユーザーが認識できなければ、常に困難なUXが発生し、ユーザーに離脱されかねません。

スキューアモーフィズムのアイコンは、ユーザーが知っていて認識しているものと、まだ使ったことのない新しいものとの間のギャップを埋めるのに役立ちます。携帯電話やインターネットのようなテクノロジーの初期の頃は、単純な比較をすることで新しい概念を理解するのに役立っていました。メールを送るのは、デジタルレターを郵送するようなものです。

消えるであろうアイコン

では、あまり知られていないアイコンはどうでしょうか?例えば、今では当たり前になったハンバーガーメニューのアイコンについて考えてみましょう。

3つの平行線は、みなさんご存知のように「ここの中に別のメニューがあります」という意味ですね。ハンバーガーメニューは、メニューを表示するのに十分なスペースがない携帯電話用にデザインされたアプリやウェブサイト用のアイコンです。

普及しているが分かりづらいデザイン

信じられないかもしれませんが、これはXeroxのために80年代にデザインされたものです。3本の線は重なった書類、あるいは、箇条書きのリストに似ています。

メニュー内の項目のリスト。それは何年もの間消えていたが、2010年代に再び使われるようになったのです。実はハンバーガーアイコンの使用は、ユーザーがメニューを開くまでメニューの中に何があるのか分かりにくく、UXデザインの観点から言えば美しいとは言えません。今ハンバーガーメニューが普及しているのは代わりになるような象徴的なアイコンがないからといえます。

なぜハンバーガーメニューはだめなのか

ハンバーガーメニューがアイコンとして批判される主な理由の一つは、アイコンが表現しているものが抽象的すぎるからだと言われています。

他のスキューアモーフィズムは物理的なオブジェクトを表しており、最もシンプルな形で描かれています。そして他のものとの区別がつきやすく、見分けがつきやすいのです。

説明しなければいけないアイコン

多くのサイトやアプリがハンバーガーアイコンの横に「MENU」という文字を配置しなければいけないという事実は、ハンバーガーメニューがアイコンとしての仕事に失敗しているということです。

例えば、ドアに「PUSH」や「PULL」のラベルを貼らなければならない場合、ドアのデザインはすでに失敗しています。

ハンバーガーメニューのアイコンは今ではかなりよく使われています。定期的にデジタルデバイスを使用している人々によって理解され、慣習になっていることを意味します。

しかし、ユーザーがより簡単にナビゲートするのに役立つ良い代替アイコンはいずれ出てくるでしょう。

ハンバーガーアイコンは今後数年で消えていくと言われています。ハンバーガーのアイコンは、電話の受話器やカメラのアイコンのように、私たちが長い間使ってきた擬態のものに比べて認識力がありません。アイコンの近くに「メニュー」を表記しなければいけないアイコンは「アイコン」とは言い難いです。

まとめ

長く愛されるためのアイコンは、直感的に理解され使いやすさが重要です。

人々の潜在意識に素早く認知されるために昔のから普及していた道具を象徴としてアイコンに採用することが長く愛されるアイコンになるヒントだと思います。

UXデザインが過熱化する現代で次にどんな新しいアイコンが生活の当たり前になっていくのか、デザイナーとして必見です。

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