デザイン・イラストのお仕事を募集中!→ココナラを見る

【Illustrator】アナログ風にするためのブラシの作り方

最近のデザインの流行りの一つは「素朴さ」がキーワードです。その中でも結構使われる表現が「アナログ風」です。デジタルのまっすぐな線はシンプルで清潔感がありますが素朴さに欠けます。アナログの魅力には「暖かさ」があります。デジタルであるイラレとは対局的です。

つるつるしたイラレのデザインをアナログの風合いにするためにはひと手間必要です。アナログ風の表現には紙や筆の凹凸や不安定さが大事です。
よく使うツールとして「ブラシ」があります。今回はアナログ風のデザインに重宝するブラシの作り方をご紹介します。

使用するソフトは Adobe Photoshop / Adobe Illustrator

つぶつぶの線をPhotoshopで書こう

まずはPhotoshopでブラシの元となるつぶつぶの線を作りましょう。
Photoshopの「ブラシツール」を使います。

Photoshopってブラシが豊富ですよね。Illustratorにもこのくらい使いやすいブラシがあったらいいのにな、と思います。(ないから今から作るのか・・・)

完成を予想して描画していきます。いい感じにバラけてナチュラルに見えるように気をつけます。
一つのブラシではなく複数のブラシを使って丁寧に作成してください。

一気にバーっと直線を引くとつまらない仕上がりになるのでチョンチョンと描画してください。

ナチュラルな仕上がりになったらOK。好きなだけ、好きなように自分のブラシを描画してみてください。
折角だから複数一気に作ってしまうとあとが楽ですね。
密度の濃いものからバラバラの線まで作ることをおすすめします。

画像の保存形式は、一時的な保存なので画像が劣化しなければ何でもいいです。私はpsdにしました。

Illustratorで画像を使えるブラシにしよう

画像をパスにする

先程、Photoshopで作ったつぶつぶの線を、Illustratorで使えるブラシに起こしましょう。画像のままではブラシにできないのでパスにする作業が必要です。Photoshopで作った線の画像をIllustratorに配置します。

【 ファイル → 配置 】で画像を呼び出して配置します。

画像をパスに変える工程(画像トレースする)

皆さん【 画像トレース 】は画面に出ていますか?出ていない人は【 ウインドウ →? 画像トレース 】で表示してください。

パスに変換したい画像を触ったまま、【 画像トレース 】の【 プレビュー 】にチェックつけてバーを調節します。
初期設定のままだと粒が粗すぎるので適度な細やかさになるように設定します。

画像にも書いていますが、ここで注意なのが【 ホワイトを無視 】に必ずチェック付けること。このチェックを忘れると画像の白の箇所までパスになってしまいます。
白だけ除外するのが場合によっては結構手間なのでチェックはお忘れなく・・・!

【 プレビュー】で仕上がりを確認したら、チェックを外して、【 トレース 】をクリックします。

このままではまだ画像です。パスにするために【 オブジェクト → 分割・拡張 】します。すると、画像はパスに変換します。

パスをブラシに登録しよう!

画像トレースを使って画像をパスに変換しました。一括で複数のモチーフをパスに変換すると、全部一つのグループだったり、または全てバラバラのパスだったりします。私の場合改めて指定のパスだけグループにしたいときは一回他のパスと切り離して、改めてグループ化することにしています。

グループ化したいパスを選択して【 Ctrl + x 】で他のパスと切り離して→【 Ctrl + F 】で全面貼り付け(最背面に貼り付けでもOK)→【 Ctrl + G 】グループ化。この作業を一連の流れでします。

今回のメインです。作ったパスをブラシに登録します。パスを握って【 ブラシのメニュー 】→【 新規ブラシ 】をクリック!

【 新規ブラシ 】をクリックすると下記↓のような画面が出ます。ここは【 アートブラシ 】にチェックをして【 OK 】。

ブラシの設定画面が出てきます。作業は下記の通り。

  • 名前を付ける
  • 【 縦横比を保持して拡大・縮小 】にチェック。
    【 縦横比を保持して拡大・縮小 】はパスが短ければ、それに合わせてブラシが小さくなり、長いパスなら大きなブラシになるという設定です。
  • 【 色相のシフト 】にチェック。これはブラシの状態で色を変えることができる設定です。

ちょっと使ってみて、設定間違えたときは【 ブラシのメニュー 】からブラシオプションで修正できます。

この要領で作りたいブラシを全て登録します。

ブラシをいつでも使えるようにする

作ったブラシを使いたいときに使うには「ブラシを使ったaiデータ」を呼び出す必要があります。
そのために呼び出すためのブラシのaiデータを作成しておきます。

【 ペンツール 】→【 線をひく 】→【 好きなブラシを選択 】するとパスにブラシが反映されます。
これを作ったブラシの数だけ作ってください。

このように作ったブラシを並べて同じaiデータに保存します。自分で管理している素材フォルダなどに普通のaiデータとして保存しておけばいいです。

私は【ブラシ】というフォルダに【キラキラ】や、【リボン】など名前を付けて保存しています。ちなみに今回のブラシaiデータは【ガサガサ】にしました。

登録したブラシを呼び出す方法

なぜ保存するところまで詳しく解説したかと言いますと・・・。
再び使うときに大事なことだからです。ノリでブラシを作って「あれ・・・あのブラシいつ使ったっけ?どこに保存したっけ?」ということが私の場合はよくあります。

ということで、今後作業が楽になるように話してみました。

作ったブラシを呼び出したいときはこの【 本棚 】のマークみたいなアイコンから【 その他のライブラリ 】でaiデータを指定してください。

作ったブラシを早速使ってみよう

線をラフにしよう

いかにも「パス」らしいイラストを使用します。ほっぺのピンクをズラして白を出しているのは印刷の版のズレを表現しています。(昔の印刷技術は版をピッタリ合わせることが難しかったので・・・特に刷数が多いほど・・・レトロさを表現しています。)

ピンクは乗算にしたので下の青が透けていて、アナログ感がさらに増します。

このままではまっすぐなパスなのでインクのにじみを表現します。にじみもアナログさを表現するコツです。

【 効果 → パスの変形 → ラフ 】

設定画面が出てくるのでプレビューを見ながら設定します。

どうでしょうか?インクが紙に滲んで、端がギザギザに見えませんか?

アナログ風ブラシをデザインに使う

まずデザインのパス一つを握ったまま右端の【 内側描画 】をクリックします。

【 内側描画 】をすると握ってたパスを囲うように破線が出てきます。

作ったブラシを呼び出して使いたいブラシを選びます。ブラシツールで破線で囲われたパスをなぞるように動かします。
【 内側描画 】の設定にしているのでパスの中だけにブラシが表示されます。

赤い線がブラシの線です。縦の細い線はブラシの急カーブで計算できずに割れたパスです(「割れた」という表現は正しいかわからないけど)。この細い線は印刷する版が傷ついてうまくインクがのっていないという表現です。傷は風化を物語っているのでアナログや、レトロさなデザインに向いています。

できました。ちなみに【 内側描画 】をするとデータが重たくなるので、多用する際は注意です!データが重たいことが気になる方は【 内側描画 】をせずにブラシをひき、マスクかけるのもいいかもしれません。

【副業・フリーランス】向いている人の条件+求人サイトオススメ3選

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です