イラストを描いたことがある人なら、誰もが何処になんの色を使うか悩んだ経験があると思います。紫にしようか、それとも赤のほうがいいかな?あるいは意外性をついて緑にすべきか?可能性は無限大です。
配色を決めて、それをイラストに反映させているのに、なぜか色が合わないということもあります。そして、なぜか色がしっくりこないのか原因がわからないということもあります。
色は難しいものですが、基本的なことを理解していれば、色を使うことが楽しくなるかもしれません。ここでは、私が色を扱う上で参考にした、いくつかの基本的な考え方を紹介します。
イラストの文脈を考える
イラストを魅力的にするのために色を考慮することは重要ですが、メッセージを効果的に伝えるために色を考慮することも同様に重要です。
例えば、「笑顔」をテーマにした記事のイラストを依頼された場合、黒やグレーを多用するのは避けたいところです。黄色やオレンジなどのハッピーな色を使いたいと思うでしょう。
同じように、夜の魔法の森を表現するなら、通常の緑ではなく、紫や青などの色を使ったほうが、森の持つ幻想的な雰囲気がより伝わりやすくなります。
自信のない世界観は調べるべき
直感的に色を選ぶことができるかもしれませんが、馴染みのないテーマの場合は、ある程度調べておいたほうが無難です。
そのためには、インターネットを利用して、参考になる画像を集めることが大切です。
イラストはどんな状況ですか?
また、色を決める際には、次のようなことに気をつけています。
どこ?
そのイラストはどこで描かれているのか?陸上なのか、水中なのか。賑やかな都市なのか、静かな田舎なのか。
いつ?
イラストは何時に描かれているのか?昼間なのか夜なのか?60年代のヒップホップなのか、10年後の未来なのか。イラストの舞台は、現実世界ではどのように見えますか?
だれ?
イラストの主な被写体は誰ですか?人物の場合は、どんな性格の人ですか?動物や無生物であれば、どのように表現するか?
どんな感情?
イラストで伝えたい主な感情は何ですか?
限られたカラーパレットで始める
最初のうちは限られた色数を使い、徐々に複雑な組み合わせを試していきましょう。
最初は3~4色からはじめる
初心者であれば、3〜4色のカラーパレットを使うと、色の関係性がわかりやすいのでおすすめです。
限られたカラーパレットでは、色がうまく機能しているのか、それとも色がぶつかって目がチカチカするのかがすぐにわかります。色がぶつかって、目がチカチカする場合には、どの色が合ってなくて変えるべきかがわかります。
ステップアップしよう
3〜4色での作業のコツがつかめたら、さらに複雑な色の組み合わせを試してみましょう。それには2つの方法があります。
01.色を増やす
1つ目は、使う色の数を増やすことです。例えば、3〜4色ではなく、8〜10色でチャレンジしてみましょう。
02.難しい色に挑戦する
2つ目は、ネオンレッド、オリーブグリーン、パウダーブルーなど、珍しい色の組み合わせに挑戦する方法です。ただし、色数が増えれば増えるほど、色の調和をとるのが難しくなることを覚えておいてください。
コントラストが大切
何気なく選んだ色でも、イラストの場面状況に偶然合っているかもしれません。
しかし、色のコントラストが適切でなければ、観客はどこをどのように見ればいいのかわからなくなってしまいます。また、色の組み合わせによっては、観客の目が疲れてしまうこともあります。
コントラストが最適か確認する方法
イラストのコントラストが適切かどうかを確認するには、各描画ソフトでモノクロに一括変更できると思います。イラストをモノクロにすることで、色の明暗や価値を調整することに集中できます。
モノクロにしたら、イラストを見て、どこがどうなっているのかを確認してください。一部の要素が背景に溶け込んでいる場合は、イラストのコントラストを修正する必要があることがわかります。
背景に溶け込んでいる部分を簡単に修正する方法は3つあります。
- カラーパレットをシンプルにする
- 彩度を上げるか下げるか
- 色の値を上下させる
この3つの簡単な修正のうち、どれを使えばいいのかというと、イラストの内容や選んだ色によって変わってきますね。一概には言えませんが、実際に色を使ってみて、何が効果的かを考えてみてください。
探求と実験を恐れないでください
色の扱い方を上達させる最も効果的な方法は、探求と実験を続けることです。
限られたカラーパレットを使って作業した後、8〜10色を使って複雑さを増していきましょう。奇妙な色の組み合わせを混ぜ合わせ、何が効果的で何が効果的でないかを見極めてください。
ついでに言えば、色がイラストの文脈に合っているかどうかも確認しましょう。必要に応じてコントラストを調整し、人の目を疲れさせないようにします。これを繰り返していきます。
好奇心があなたを大きく成長させます。
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