子供の頃から「本は表紙で判断してはいけない」と言われてきました。しかし、実際には、表紙は読者が本の中身を知るための重要な手がかりとなります。
目を引く表紙の本は、書店の棚から手に取ってもらえる可能性が高くなります。そしてそれは、読者が本を購入する前の最初の一歩となるのです。では、どうすれば売れる表紙をデザインできるのでしょうか?
自分のため、あるいはクライアントのためにブックカバーのデザインを始める前に、飛ぶように売れていく高品質なブックカバーをデザインするための9つのヒントを共有したいと思います。
1. インスピレーションを得る
デザインを始める前に、まずは表紙の全体的な雰囲気を把握するために、インスピレーションを集めましょう。
どんなデザインにしたいか知る
様々なブックカバーのアイデアを集めることで、自分が何に惹かれるのか、何が効果的で、何が効果的でないのかを理解し、カバーデザインで反映したいことを絞り込みましょう。
まずは、ピンタレストで人目を引くブックカバーのデザインを探してみましょう。目安としては、10~20個の参考デザインを集めることです。
十分な数のアイデアが集まったら、自分が惹かれるビジュアル、テーマ、イメージ、レイアウトなどのパターンに気付き始めるはずです。このことを念頭に置いて、次のステップに進んでください。
2. 本のメインテーマの概要
ブックカバーは、本のテーマを魅力的に伝える役割があります。また、本の雰囲気を表現することも必要です。
その本は何についての本なのでしょうか?現代社会についての真面目な探求でしょうか?自分自身を見つけるための、楽しくて冒険的な回顧録でしょうか?
真面目な本は比較的真面目な表紙にすべきですが、ビーチで読むような楽しい本には全く違う種類の美的感覚が必要です。
本の主なテーマを整理し、それを念頭に置いて、表紙に使用するイメージを決めましょう。
全部読む必要はないが、雰囲気は知るべき
グラフィックデザイナーがクライアントと仕事をする場合、表紙をデザインするために必ずしも本を全部読む必要はありません。ただし、あらすじと最初の1、2章を読んで、その本のトーンやムードを感じ取ってください。
3. ジャンルを考える
ジャンルによって、表紙に使われる慣習は異なります。
スチームの効いたロマンス小説で、抱き合っているカップルが表紙になっていることが多いですし、真実の犯罪を扱った本では、犯罪を暗示するような暗い表紙が多いです。
そのジャンルが何を期待しているかを知るには、競合する本を見てみましょう。そのジャンルの読者が一目でそれとわかるようにするためには、自分の表紙もそれに合わせる必要があります。
4. ビジュアルヒエラルキーの活用
ブックカバーの優先すべきビジュアルの順位は重要です。気まぐれな読者の目を引きつけるためには、表紙の最も重要な部分を最初に目にするようにする必要があります。
有名作家の場合
ほとんどの本では、タイトルが最も目立たせるべきビジュアルです。しかし、ある種のベストセラー作家の場合は、タイトルよりも名前を強調したほうがいいかもしれません。これは、その作家のファンが自分の本だとすぐにわかるからです。
一般的には
一般的には、タイトルと表紙のイラストや写真を最も目立つように配置し、次に副題(あれば)、そして著者名の順に配置します。
受賞歴も記載しよう
また、表紙や帯には推薦文や賞品などを掲載する場合もありますが、通常は他の要素よりも目立たないように配置します。
5. ごちゃごちゃしたものをなくす
ごちゃごちゃした表紙は、小さなサイズで見たときに魅力的ではありません。本の閲覧はインターネット上で行われることが多いため、表紙は通常、サムネイルサイズに縮小されます。
サムネイルサイズで見たときに表紙がごちゃごちゃしていると、潜在的な読者を遠ざけてしまう恐れがあります。
焦点を選ぶ
表紙の焦点となるモチーフを1つ選びます。それは、表紙に使われている画像の一部であったり、本のタイトルであったりします。
目立たせるべきポイントがわかれば、そのポイントを強調するようにカバーの残りの部分をデザインすることができます。また、ポイントの周りには十分な余白を確保してください。
6. サムネイルで考える
アマゾンなどのオンライン出版社を見ていると、表紙のサムネイルが次々と表示されます。これらのサムネイルは、高さが200px以下とかなり小さいことが多いです。
サムネサイズで目立たなければ注目されない
つまり、タイトルが表紙の中で十分に目立たなければ、タイトルを読むことができません。また、表紙にたくさんの文字やデザインがあると、サムネイルサイズではそれが見えなくなってしまうということです。
インパクトは大事
だからといって、そのようなディテールを表紙に入れてはいけないというわけではありません。表紙にそのようなディテールを入れてはいけないというわけではありませんが、サムネイルサイズでもインパクトのある表紙にする必要があるということです。
小さいサイズでもタイトルが読めるようにし、グラフィックの最も目立つ部分が認識できるようにしましょう(例:山は山、人は人と認識できるようにするなど)
7. 適切なフォントとカラーを選ぶ
フォント
表紙の書体の選択は難しいものです。実物大の表紙を見たときに美しいものでなければなりませんが、サムネイルの小さなサイズでも読みやすいものでなければなりません。
基本的には、非常に細かい表示や複雑な書体は避けるようにしましょう。最適な書体を探す際には、大きなディスプレイサイズと小さなボディサイズの両方で試し、サムネサイズで表示されても読みやすいかどうかを確認してください。
カラー
表紙をどのような配色にするかは、表紙の最大の注目ポイントであると同時に最大の難点でもあります。良くできた配色は読者の目を引き、本のトーンやムードを伝えますが、間違った色は読者を混乱させる危険性があります。
- 明るいネオンカラーは、その本が楽しく読めて、あまり深刻ではないことを示しています
- 暗い色は、この本はシリアスだったり、怖いものによく使用されます
- 淡い色は、この本には重要なメッセージが込められている可能性があります
覚えておいてください。カラーパレットは、ムード作りの一部に過ぎません。例えば、パステルカラーの表紙でも、目などの適切なモチーフがあれば、怖い雰囲気を出すことができます。
8. タイトルは目立つように
タイトルについてはすでに述べましたが、表紙でタイトルが目立つことは非常に重要です。
もし誰かが特定のタイトルを探しているときに、表紙でタイトルがすぐにわからなければ、購買のチャンスを逃すかもしれません。また、タイトルは本の内容を知るための強力な手がかりとなります。
タイトルは、小さなサイズでも大きなサイズでも読みやすく、背景のグラフィックから際立たせることを忘れてはいけません。
9. 背表紙・裏表紙を見逃さない
表紙ばかりが注目されがちな本ですが、背表紙や裏表紙も重要なデザイン要素です。
特に背表紙は、書店で本を見ているときに、背表紙だけが見えるように棚に並べられていることが多いので重要です。
また、オフセット印刷機の特性上、表紙、裏表紙、背表紙の位置が完全に揃うとは限らないことも考慮する必要があります。
表、背、裏すべて通しの1枚絵などで背景デザインを表紙全体に配置すれば、印刷ミスによる背表紙や裏表紙の見栄えの悪さを防ぐことができます。これにより、ブックカバー全体がプロフェッショナルで統一感のあるものになります。
売れるブックカバーを作ろう
ネット書店や電子書籍の普及に伴い、ブックカバーのデザインも変化してきましたが、良いデザインの基本原則は今も変わりません。読者の目を引く表紙をデザインすることは、本の成功の鍵となります。
本当に売れるものを使いたいならプロに依頼しよう
しかも、Adobe PhotoshopやIllustratorなどのデザインソフトを使うのが苦手な方でも、表紙のデザインテンプレートをオンラインで入手することができます。
しかし、私たちは、実際に売れる印象的な表紙をデザインする専門家である、フリーランスのグラフィックデザイナーを見つけることが成功の第一歩だと思います。
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