イラストを描くときにみなさんはどうやって描いていますか?勘のいい人ならばダイレクトに主線を描き始めると思うのですが、一般的にイラストを描く場合は「アタリ」が必要なのは皆さんご存知ですよね。
今回は横顔を描く際のアタリのとり方を紹介します。ただ注意点として、アタリのとり方にも色々な方法があって、ここで紹介するやり方だけが正しい訳ではありません。イラストを描く前のアタリには人により、向き不向きがあることを留意してください。
アタリを描く
01. 丸を描く
最初はシンプルに丸を描いてください。この丸はおでこから、後頭部までの曲線のナビゲーションになります。
フラフラ線になる人は短い線をつなごう
ちなみにペンタブで線を描くとき、私はよく線がフラフラするので短い線をいくつか繋げて任意の形を描きます。
以前は一回できれいな線を描かなければと、なんども線を引き直していたことで時間がかかっていました。アナログよりもデジタルではペンの滑りがいいので線は思い通りにいきません。私と同じようにフラフラな線に悩んでいる人も多いのではないかと思います。
結果的に、短い線を繋げて描いていくことが時間もかからないという結論に至りました。時短大事です。
02. 十字を描く
イラストのアタリの定番です。十字をかきましょう。視線に向かって直線を引き、それと垂直に線を引きます。
03. 鼻、口、顎のアタリをひく
このアタリの特徴的なところはこの部分ですね。縦の中心線から斜めしたに線を引きましょう。そして縦の中心線と平行ではなく、すこし下を狭くして横顔のEラインになる線をかきます。
これでアタリはできました。すごくシンプルですよね。
イラストを描く
01.顎、耳を描く
ここから実際にアタリを頼りにイラストを描いていきます。
ちなみに説明で描くイラストは基本のため、リアル人間みたいに描画していきます。ここに見に来たほとんどの人がデッサンみたいなリアルタッチに興味はないと思うので、イラストのパーツのすすめ方はあくまで参考程度にしてください。
殆どの人が「顎から描く?!」と思ったでしょうが、アタリを目安に描き始めると、このように突拍子もないところからスタートします。描き始めるときにアタリをとるメリットは、根拠をもって線をひくところです。
アタリは骨格のようなものなので、後々書き直しが少なく時短になります。(時短大事)
02.唇を描く
さぁ、どんどん描いていきましょう。顎からかき進めているので唇に進みます。
03. 鼻描く
あっという間に鼻まできました。鼻筋のかき始めや、角度は絵柄によって全く異なるので参考程度に考えてくださいね。
04.後頭部なぞる
もうほぼ完成ですね。アタリで描いた丸の線をなぞりましょう。このとき、円をなぞるのは眉間から後頭部までです。
個人的なこだわりポイントは後頭部から首筋にかけては、すこし内側に線を引いています。なぜかって?そのほうが美しいシルエットだと思うからです!
05.仕上げ
眉、目、小鼻を描けば人体の完成です。ポイントは唇を少し内側に入れることです。
しかし、唇を内側に入れる描き方はあくまでリアル人間のときなので、実際にイラストを描くときは必ずしも唇が内側にあるとは限りません。
07.完成
アタリをとって、バランスのとれた横顔ができました。アタリ無しでこの横顔を描くのは難しいですが、アタリをナビゲーションとしてかき進めれば、容易に美しい横顔を描くことができます。
失敗する人の特徴
twitterでよく「アタリをとってるのにうまく描けてない人」を見かけます。アタリをちゃんととってるのにどうして上手くイラストを描けないのでしょうか?
それはアタリがアタリになってないからです。
アタリが失敗してる人の特徴
- アタリの線が太すぎる
- アタリの線が多すぎる
アタリの線が太すぎたり、多すぎたりした場合、どこを頼りに線を引けばいいと思いますか?
上記のようなアタリは「アタリ」とは言えません。正直に申し上げれば「アタリをとった事実に満足しているだけ」としか思えません。
アタリをとったとき、なんとなく上手く引けた気がしますが、人間は複数の線から都合良く見える線を無意識に見ています。本当に良いイラストを描きたいなら、適切な大きさの線を最小限で描きましょう。
色々なキャラクターでアタリを試してみた
今回紹介しているアタリはもともと、リアル人間のためというのがメインです。漫画のキャラクターでは上記のように描画したらおかしな事になってしまいます。
しかし、このアタリは構造上、十分に立派な根拠があります。是非とも、それぞれの絵柄に合わせて実践してみてください。
漫画のキャラクターにこのアタリを適用するときの基準は、鼻の高さや目の位置ではなく、頭蓋骨の大きさで決めています。
僕のヒーローアカデミアのお茶子ちゃん
まずは、お茶子ちゃんに当てはめてみました。堀越先生は色々なパターンのイラストが得意ですがお茶子ちゃんのようなキャラクターは唇の凹凸がなく非常にスッキリとした印象です。
ドラゴンボールの初期ブルマ
初期のブルマは伝説級です。中でもバイクの横で立っているブルマはどんなに時が経とうともいつまでも麗しいですよね。今回はそんなブルマをこのアタリに適用してみました。
鳥山明先生のイラストの特徴は、鼻と口が非常に近いということです。あとはアヒルみたいな唇ですね。
ヒーリングっどプリキュアのキュアグレース
プリキュアのイラストはお茶子ちゃんと似てますね。鼻から顎のラインが直線的です。こういう輪郭は凹凸が少ないためか、少し幼い印象を受けます。
鼻や顎に比べて、頭の大きさが大きいことも幼く見える特徴です。
鬼滅の刃の禰豆子
飛ぶ鳥を落とす勢いの禰豆子をアタリにあててみました。吾峠先生のイラストの特徴は三角に尖った鼻と大きな目ですね。横顔は美しいとされているEラインです。
ジョジョの奇妙な冒険のトリッシュ
なるべく絵柄の違うものにアタリを使いたかったのでトリッシュを採用しました。荒木先生のイラストは最も美術的だと言えます。このアタリを使うなら一番向いている絵柄ですね。
鼻筋、口、顎はリアル人間に近いですが、目の位置には漫画の特徴があります。ここで紹介した漫画のイラスト全てが十字の中心線より下に目があります。そして耳もリアルとは異なり、中心線のセンターにあります。
このアタリを基準にしてわかるように、荒木先生の絵はリアル人間の美しさも持ちつつ、漫画としての特徴もあるハイブリットな絵柄です。
まとめ
今回紹介したアタリはどうでしたか?気になる絵柄があったら是非このアタリを当てはめてみてください。「このアタリを基準にすれば、目はこの位置になる」「鼻はここに配置される」など、イラストのヒントにもなると思います。
冒頭にも申し上げましたが、今回紹介したアタリは人によって向き不向きがあるかもしれません。この方法で描かなければいけないなんてことはないので、あくまで参考にしてこれからも楽しくイラストを描いていきましょうね。
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