クライアントに愛されるロゴデザインの方法を知りたいと思いませんか?
ロゴデザインのヒントはネット上にたくさんありますが、ロゴデザインの制作過程で、やってはいけないことを正確に説明した資料はあまりありません。
フリーランスのデザイナーでロゴを制作している人も、スキルアップのためにロゴを制作している人も、避けるべきロゴデザインのミスのトップ10をご紹介します。これを参考にして、クライアントの心に残るロゴデザインをイチから作ってみてください。
さらに、創造力を刺激する方法もご紹介します。それでは、さっそく始めてみましょう。
01. 事前調査を省略してはいけません
事前調査とどのようなブランドに育てていくかという計画は、どんなデザイン過程でも最初に行うべきことで、ロゴも例外ではありません。
ロゴデザインの手順
- 自分がデザインする会社や競合他社についての事前調査。
- その企業の顧客やユーザー層を知り、ユーザーが企業に何を期待しているのかを知る。
- 調査した内容を分析し、制作するロゴとブランドの道筋を決める。
このように事前調査を重ねることで、より良いロゴデザインをクライアントに提出することができます。
肝心なのは、デザインを始める前の作業です。明確な方向性を見極めることに時間を割くことで、ロゴを作成して承認を得るまでのプロセスが楽になります。ロゴデザインするプロセスはデザインそのものの作業だけではありません。綿密な市場調査と分析から始まっています。
02.トレンドを追いかけてはいけません
ロゴは、少なくとも時代を超越したものでなければなりません。最も古いロゴの中には、今でも使われているものがあります(シャネルのダブルCのロゴやラコステのワニなど)。ロゴをデザインする際にトレンドを追いかけると、そのデザインはすぐに古くなってしまいます。
ロゴは企業のブランディングの骨格となることが多いので、一貫性のあるロゴであることが重要です。
流行を追ったロゴでは、企業の長期的なブランディングに支障をきたします。
03.ブランド名に一般的なフォントを使用してはいけません
ロゴやブランド名にフォントを取り入れる場合、一般的なものにならないように注意しましょう。目立つロゴは、同じ業界の他のロゴと比べて面白くなければいけません。そのためには、フォントをカスタマイズすることが有効です。
ロゴのフォントを選んでそのまま使用するのではなく、フォントをカスタマイズする方法を考えてみましょう。カーニングや文字間隔などの単純なものから、文字の形を変えるなどの複雑なものまで、さまざまなカスタマイズが考えられます。
いずれにしても、ブランドの雰囲気やロゴの目的に合わせて、ロゴに使用するフォントを調整していきましょう。
04.当たり障りのないイメージや視覚的な決まり文句を使ってはいけません
アイデアを連想させる電球や、環境保護を連想させる地球儀を何度も目にしたことはありませんか?
ありきたりなモチーフに頼らない
ロゴデザインやブランディングの世界では、このようなありきたりのビジュアルがあふれています。これらのアイデアを表現する新しい方法を考えてみましょう。出尽くしたアイディアを頼って参考にすべきではありません。まだ見ぬ良いロゴがあると信じて悩んでみてください。
ありきたりなシルエットから脱却する
また、基本的な丸、三角、四角のような形も同様です。ロゴに丸を加えても、他の何百もの丸を含むロゴの中で目立たせることはできません。もしかしたら、丸でもを個性的に見せることはできるかもしれませんが、それには膨大な時間と技術が必要となります。
05.抽象的になりすぎるのはNGです
ありきたりでつまらないロゴにならないことも大事ですが、抽象的すぎることにも注意が必要です。
抽象的なイメージは人目を引きますが、それが何を意味しているのか明確でなければ、ブランドの信念を強化する効果とはなりません。
ロゴの目的は芸術的であることではなく、ブランドの経営理念を強化することです。
もしロゴのイメージが抽象的で、何を意味しているのか分からないようであれば、少し新しいアイディアを絞り出してみてください。「それっぽく見えたらラッキー」ではプロのデザインには程遠く、つまらないロゴです。
06.複雑すぎるロゴはNG
複雑なロゴは、ブランドに悪影響を及ぼします。ロゴが複雑になると、一目で認識することが難しくなりウェブサイトや名刺など他のデザインで使いにくくなります。
ロゴは必要以上に複雑にすべきではありません。すべてのロゴがミニマリストの美学に従わなくてもいいかもしれませんが、シンプルであることは重要です。
企業理念は明確にしつつ、複雑すぎるロゴから何を取り除くかを考えてみましょう。
よく問題になるのは、ロゴに多くのものを詰め込もうとすることです。多くのアイデアを組み合わせようとするあまり、明確な核となるコンセプトがひとつもないロゴが多くみられます。ブランドにとって最も重要なことを1つだけ決めて、それをわかりやすく個性的な方法で伝えることができれば、それが成功の鍵となります。やりすぎは禁物です。
07.色や効果に頼ってしまう
デザインしたロゴのほとんどはカラーで表示されることが多いのですが、単色で使用しなければならない場合もたくさんあります。
カラーやグラデーション、透明度落とした色を使ったロゴは、単色のロゴに比べてとても使い勝手が悪いです。
色や効果は、ロゴのメッセージを強化するために使用することはできますが、メッセージを伝えるための主要な手段として使用するべきではありません。色やグラデ、グレーなどの透明度を落としたものをロゴのメイン要素に使っているロゴは三流のロゴです。
08.何パターンも提案してしまうのはNGです
ロゴをデザインする際、最初に複数のコンセプトをクライアントに提示することがあります。これは、クライアントが少なくとも1つのコンセプトを気に入ってくれることを期待してのことですが、選択肢が多すぎるとクライアントが迷って何も決めることができなくなります。
最初のロゴデザインのコンセプトは2つ、多くても3つにしておきましょう。これにより、クライアントを圧倒することなく、選択肢を増やすことができます。
初期のロゴデザインのコンセプトは2~3個にしましょう。選択肢が2~3個ならば、クライアントも無理をせずに好き嫌いを決めることができます。
例えば、ロゴデザイナーの中には、1つのコンセプトだけを提示し、その解決策に全力を注ぐ人もいます(ワンコンセプトアプローチと呼ばれます)
クライアントは、選択肢を作るためにお金を払っているのではありません。企業のもつ問題を解決し、最も戦略的に魅力的で汎用性の高いブランドをデザインすることお金を支払っているのです。
09.ロゴをひとつの組み方だけで提案するのはNGです
ロゴは様々なサイズや組み方に対応しなければいけないので、ロゴデザインは提案の段階から横一列だけではなく縦や改行などでも提案する必要があります。
各組みかたに対応したロゴデザインとは、ロゴが複数の異なるバリエーションで存在し、異なるスケールやアプリケーションで正しく表示されることです。例えば、アプリアイコンに表示されているロゴと、名刺に印刷するロゴでは、縮尺を変えなければなりません。
ロゴデザインに様々なバリエーションを設けることで、クライアントのあらゆる製品や大きさ、種類に応じて、読みやすさや認識しやすさを最大限に高めることができます。
10.ブランドガイドラインを作成しないのはNGです
ブランドガイドライン(ブランドスタイルガイドや使用ガイドラインとも呼ばれます)は、ロゴデザインパッケージには欠かせない要素です。
このガイドラインは、今後のデザインやブランディングのプロジェクトでそのロゴを使用する人に、そのロゴがどのように使われるべきかを正確に伝えるものです。これらのガイドラインは、クライアントの会社や製品のために、Webサイトや印刷物などデジタルとアナログがどのように1つのブランドの物語として説明し、ブランドイメージにまとまりを持たせるために役立ちます。
ブランドガイドラインには、カラーコードや書体、ロゴの良くない使い方など、正しい使い方情報を記載しましょう。
クライアントに愛されて、時代を超えたロゴをデザインするには、数ヶ月や1年ではなく、何年も何十年も使われるものだということを念頭に置いてデザインを進めてください。
20年前、50年前のデザインにそのロゴが似つかわしくないかどうかを考えてみると、そのロゴデザインが本当に時代を超えたものかどうかがわかります。また、ブランドのメッセージをどれだけ伝えることができるかを考えることで、効果的なロゴを作ることができます。
そうすれば、時代を超えて顧客に愛されるロゴデザインを作ることができるでしょう。