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コロナ禍で変化した新しい生活で私たちデザイナーができること

2020年は、世界全体が新型コロナウイルスによって変化した年として歴史に残るでしょう。
まさかこんな、強制的に生活を変えなければいけないことになるとは誰も想像できなかたでしょう。

世界中が混乱に陥った新型コロナウイルスのパニックで私たちはこれまでの仕事のやり方を急激に変えなければいけませんでした。それは、ほぼどの業界でも同じだったと思います。もちろんデザイナーも例がではありませんでした。

デザインは人々の生活のほぼすべての側面に関わっているため、デザイン業界は更なる変化に対応する準備をしておく必要があります。

多くの流行デザインの分析対象は、純粋な見た目に焦点を当てていますが、2020年は違いました。
表面的なデザインだけではなく、根本的にインターネットなどオンラインの利用方法に大きな構造的な変化をもたらしました。
このような変化に素早く対応し、クライアントの移行を容易にすることができるデザイナーは、競合他社よりも優位に立つことができるでしょう。

1. ユーザーに安心してもらうために

コロナウイルスの大流行により世界中の経済が冷え込み、2020年の春には消費者の行動も最低限の買い物以外には完全に止まってしまいました。一年経った今は多くの国で少しづつですが、回復傾向にあるとはいえ、消費者の行動は未だに安全性やモラルの関係で慎重にならざるをえません。

消費者に安心感を与えるのはデザイナーだけの仕事ではありませんが、デザインの選択がそのプロセスを助けることもあります。消費者が対面での買い物などで、不安を感じているなら、その不安感は消費にも波及します。

消費者が安心して買い物ができるようにするためにはデザイナーに、何ができるでしょうか?

ユーザーに寄り添う

例えば、口コミをないがしろにしない、幸せなお客様のコンテンツの共有など、単純に使いやすく直感的に理解できるデザイン設計であることで安心していただけるでしょう。

包み隠さずオープンにする

また、FAQ(よくある質問)やチャットボットなどのやり取りにより、消費者が質問に簡単に答えられるようにしましょう。製品が出荷される倉庫の安全性などについて消費者に安心感を与えるだけでも、企業との取引に対する信頼感に影響を与えます。

今年私たちが2020年に共に感じたトラウマ的な経験を無視してはいけません。消費者は、企業の対応を知りたがっています。消費者は、企業がどのようにコロナウイルスに対応していることを知りたがっています。

このピンチを共にどうやって乗り越えようか考えることは消費者と企業の絆を深めると同時に、私たち人類の新しい進化といえます。

2. 誰もがリモートワーク可能に

“誰もが “は少し言い過ぎですが、2020年は、これまでリモートワークへの移行に抵抗があった職業を含め、いかに多くの仕事がリモートでできるかを示してくれました。

今年は、自宅でのコミュニケーションや仕事の遂行を容易にする製品が大きな伸びを見せました。ビデオ会議アプリ「Zoom」は、過去1年間で顧客数が458%増加し、収益も前年比で3倍以上になりました。それは、リモートワークへの大きな移行がなければ起こらなかったことでしょう。

リモートは超トレンド

リモートでのコミュニケーションやコラボレーションを容易にする製品をデザインすることは、当面の間、大きなトレンドであり続けるでしょう。
リモートワークはすぐにはなくなりません。

企業は、従業員の多くが自宅で仕事をしたほうが幸せで生産性が高く、コスト削減にもつながることに気づいています。たとえコロナのパニックが終わっても、多くの企業は従業員の多くをリモートワークのままにしておくでしょう。

リモートでのコミュニケーションやコラボレーションを容易にする製品は、しばらく、大きなトレンドになり続けることは間違いないです。ユーザーは、簡単で直感的に操作でき、自分のデータやコンテンツが安全でプライバシーが守られていると感じられる製品を使いたいと思っています。

3. 使いやすく公平なデザインが鍵

友人や家族、同僚とのコミュニケーションにリモートを利用する人が増えるにつれ、すべての人にとって使いやすさと公平性のある技術を実現することがますます重要になっています。

ウェブの使用基準は、1999年に策定が開始され正式に2008年から導入されています。ここ数年のデザインは、使いやすさをさらに進化させたもので、能力や障害、環境要因にかかわらず、すべての人がウェブを高度に使いこなせるようにすることに焦点を当てています。

しかし、最新技術への平等なアクセスは、いまだに多くの人にとって障害となっています。より複雑なデザインを低価格で提供することで、そのギャップを埋めることができるでしょう。

信頼できる高速インターネットにアクセスできない地方では、オンラインでの学習や仕事は難しくなります。

米国の地方では、人口の約4分の1にあたる1,450万人がネットにアクセスできないそうです。このため、地方の労働者や学生が、都市部の労働者と同じようにテクノロジーに関わることができるかどうか、大きなギャップが生じています。

インターネットの速度が遅い人のためのリモートアクセスの良策を考えることは、難しいことです。しかし、より複雑なデザインを低価格で提供することで、そのギャップを埋めることができます。デザインだけでは、ネット環境を持つ人と持たない人の間の公平性を実現することはできませんが、時間をかけて解決されるべき問題ではあります。

4. 新しいビジネスモデル

対面での仕事のリスクが高まるにつれ、直接てきではない新しいビジネスモデルが多くの地域で生まれています。都市部では何十年も前から食料品や食事の宅配サービスなどが当たり前のように行われていましたが、郊外や地方では選択肢がないことが多かったのです。

2020年には、中小企業も適応せざるを得なくなりました。イギリスの食料品店では、オンライン注文や事前に消費者がお店に注文しておいて、消費者が商品を取りに行くやり方を採用しています。
宅配サービスを提供することなど夢にも思わなかったレストランでも、宅配サービスを開始しました。また、進取の気性に富んだ中小企業の経営者の中には、ウイルスとうまく付き合っていくために、まったく新しいビジネスモデルを考えるはじめているといいます。

実店舗型のビジネスが、オンラインとの両立に移行する際に、デザイナーは、重要な役割を果たすでしょう。

ある米国の企業オーナーは、通常の切り花やファーマーズマーケットでのビジネスが今年は大幅に縮小されることを知り、地元の生産者や農家に関する知識を活かして、地域を対象とした食品配達のビジネスを始めました。注文と支払いはオンラインで行い、配達は週に数日、ドライバーと顧客が接触することなく行われます。一昔前には考えられなかったビジネスモデルですが、需要に応じてルートを拡大していけるでしょう。

5. つながるための新しい方法

旅行が制限され、近所の家族を訪ねることさえためらうようになった今、人々は大切な人とつながり、さらには新たなつながりを築くための新しい方法を探しています。

現実世界の行動に似たバーチャル体験をデザインすることは、非常に難しいです。2020年は、バーチャルクラス(あらゆる年齢層の学習者を対象とし、遠隔で教えることができる実質的にあらゆるテーマについて)の大幅な増加から、現実世界の巨大イベントのバーチャルリアリティによるシミュレーションまで、さまざまなアプローチが試みられています

6. 消費者の行動や心理が変化した

先に述べたように、今年は消費者心理が悪化しました。そして、消費者の行動が変化しています。多くの人々が、より保守的な選択をしています。地元の経済を支援するために、有名な全国規模の店を避けている人もいます。

多くの消費者は、自分の消費が経済支援に繋がっているか知りたがっています。また、自分の価値観に合った企業との取引を望んでいます。つまり、会社は企業理念を明らかにする必要があります。

コロナ禍で人々は以前よりも多くの時間をオンラインで過ごしています。つまり、消費者はデザインなどの広告にうんざりしています。デザイナーは、これまでと同じ結果を得るために、さまざまな戦術を試す必要があるでしょう。

2020年に私たちが学んだことは、デザイナーとしても人間としても、変化は避けられず、素早く適応できるかどうかが成功と失敗を分けるということです。このような変化を想定して創造できるデザイナーは、過去のやり方にとらわれているデザイナーよりもよい結果を得ることができるでしょう。